ゲームを作っていると、たまにゲームの不満がびっしり書かれた感想や悪口に近い感想をいただくことがあります。
初めてそういう感想が来たときは本当にびっくりして「なんでこの人はこんな嫌がらせみたいなことをしてくるんだろう」と思っていたのですが、そういった感想も落ち着いて見てみると結構な割合で「ゲームでイライラする部分があって頭にきた」というようなことが書かれていることがわかります(つまらなかった、という感想と同じくらい多いです)。
つまり楽しんでもらうはずのゲームで、逆にプレイヤーをイライラさせてしまうことがよくあるんですよ。
それでゲーム制作者として、そういった「遊んでいてイライラする原因」としてどういうものがあるかが分かれば対策できるし、逆に意図的にプレイヤーをイライラさせる変なゲームも簡単に作れるんじゃないか(※既に1作作ってるけどね!)と思いました。
そこで今回は私自身の経験・今までの自作ゲームでいただいたご意見・ネットで見た他のゲームの感想なんかを総合して「遊んでいてストレスが溜まるゲームの特徴」を簡単にまとめましたのでご覧ください。
なお、ここではあくまでも遊んでいてイライラするゲームの特徴に焦点を当てています。クソゲーの特徴については以前の記事「クソゲーを作って分かった、クソゲー作りを防ぐためのコツ」を参照してください。
プレイヤーをイライラさせるゲームの主な特徴
ではさっそく遊んでいてイライラするゲームの特徴を見ていきましょう。ゲームにおけるストレス要因は大きく分けて「ゲーム内容に関するもの」と「ゲーム内容に無関係なもの」に分けられます。
ゲーム内容に関するストレス要因
まずはゲームの内容に直接かかわってくる要因です。主に分かりづらい・理不尽・面倒くさいといった特徴が挙げられます。
- 遊び方が分かりづらい・覚えることが多すぎる
- クリアに必要な情報が提示されない
- ストーリーが難解
- 理不尽な死に方をしやすい(死んだ原因が分かりづらい)
- 単純作業や面倒な作業を繰り返しやらされる
- チャンスを逃すと取り返しのつかない要素がある
- プレイヤーの選択を尊重しない
これらの要因は時としてゲーム制作者が「良かれと思って」生み出してしまうことがあるので注意が必要です。特に
- ゲームの難易度を上げたいとき
- ゲームのボリュームを増やしたいとき
は要注意。ゲームの難易度はよく考えて上げないと理不尽になりがちですし、ボリュームを増やす際も無理に水増しすると作業の繰り返しになりやすいからです。
ゲーム内容に無関係なストレス要因
次はゲームの内容とは直接かかわりのない要因です。主にテンポが悪い・遊びづらいなどが挙げられます。
- バグなどでゲームが強制終了する
- 操作性が悪い
- ロードが長い
- ムービーなどをスキップできない
- UIが使いづらい・見づらい
- エフェクトが多すぎる
- 画面や文字が見づらい
- 音量が適切でない
この辺のストレス要因はゲームを作ってると気づかないことが多いので厄介ですね。あとは技術的に直すのが難しい場合も考えられます。
なぜゲーム制作者はプレイヤーがイライラするゲームを作ってしまうのか?
では、私たちゲーム制作者はなぜ「プレイヤーがイライラするゲーム」を生み出してしまうのでしょうか?主な原因は次の3つだと思います。
- 制作者の目線でしか見ていないから
- テストプレイしているうちに慣れてしまったから
- 分かっていても直せないから
まず最も陥りがちなのは制作者としての目線からしかゲームを見ていないことです。ゲームを作るときに「これはプレイヤーならどう感じるかな」と想像力を働かせたり、きちんとテストプレイをしたりすればイライラすることに気付くのに、それらを疎かにしたせいで問題をスルーしてしまうということはよくあります。
また、逆にテストプレイをしているがゆえにイライラ感に慣れてしまうケースもありますね。こうなると自分自身で問題に気づくのはほぼ無理なので、可能ならほかの人に見てもらったほうがいいでしょう。
あとは問題に気付いていてもやる気・技術力・時間などの都合で直せないという場合もあります。この場合はどうしようもないので反省点を次のゲームに生かすしかありません。
いずれにしても、ほとんどのゲーム制作者は好きでイライラするゲームを作っているわけではない(※)ので、プレイヤーの皆さんにはその点は理解していただければと思います…。
※「ストレスフル勇者」を作った奴が言うなよ、という声が聞こえてきそうですが…。
ストレスの少ないゲームを作るために心がけたいこと
以上、簡単ではありますがイライラするゲームの特徴や、ゲーム制作者がストレスフルなゲームを作ってしまう理由を述べました。
じゃあどうすればストレスフリーなゲームを作れるのか?ということについては、結局のところ「プレイヤーのことを考えながらゲームを作る」のが一番の対策なのではないかなと思います。もちろん制作側の都合(とにかく完成させたい、やる気が出ない、そこまで考える余裕がない…などなど)もあるのですが、やはりゲームって他人に楽しんでもらうためのものなので思いやりを持って作っていきたいですね。