こないだリリースしたクソゲー「ストレスフル勇者」は、ゲームをクソゲーにするにはどうしたらいいかを考えながら作りました。その中でクソゲーとはどういうものなのか、クソゲーになる原因は何なのかが色々見えてきたので、今回はその原因と対策について書きます。
ゲームがクソゲーになる原因
ゲームがクソゲーになる原因は色々あると思いますが、主なものは次の4つだと思います。
- バグが多い(ゲームが進行不能になる、よくフリーズする等)
- ゲームバランスが悪い(特に難しすぎるもの)
- 遊びづらい(システムやUIが不親切、ロードが長い等)
- ストーリーが意味不明
まず1.はこの4つの中では最も致命的で、しかもよくある原因でしょう。一口にバグと言っても様々なものがありますが、特にゲームが進行不能になったり、極端にゲームが遊びづらくなるものは速攻でクソゲー認定されてしまいます。このようなバグが残されたままゲームが出回ってしまうケースでは、まず作り方がまずく、しかもデバッグも不十分だったということです。
2.は制作者が難易度の調整を誤ってしまったパターンですね。難しすぎるとクリアできないのでクソゲー認定されます(逆に、簡単すぎるものはヌルゲーと呼ばれる)。制作者はゲームのすべてを知っている状態ですし、何度もテストプレイするうちに上手くなるので、ゲームが簡単に思えて難しくしてしまうことがよくあります(特に個人制作の場合)。
3.は作りが雑だったり複雑すぎたりして、プレイヤーが混乱したりイラっとしたりするパターンです。これはシステムやUIの設計方法がよくわからないまま作ってしまうと陥りやすいです。ちなみに「ストレスフル勇者」ではこれを利用してプレイヤーをイライラさせています。
最後に4.はストーリーが難解だったり支離滅裂だったりする場合です。中にはそれで不気味さやシュールさを演出しているゲームもありますが、一般的に言えばRPGやノベルゲームなど、ストーリー性が売りとなるゲームでは致命的になるでしょう。
どうしたらクソゲー作りを予防できるか
では、自分が作っているゲームをクソゲーにしないためにはどうしたらいいかを考えてみましょう。前述の4つの原因を元に考えると、対処法は次の通りになります。
- バグの予防と発見・対処をしっかり行う
- 少し簡単だと思うくらいの難易度にする
- システムやUIを熟考する
- 分かりやすいストーリーにする
1.バグの予防と発見・対処をしっかり行う
基本的なことですが、バグりにくいプログラムを組むことと、デバッグをしっかり行ってバグを潰すことはとても重要です。
まず、バグりにくいプログラムにするには以下のような方法があります。
- プログラムを役割ごとに細かく分割する(描画部分とシステム部分を別々にする等)
- 手作業でやっていることを自動化する
プログラムの役割を明確にするとどんな処理をしているのかが分かりやすくなりますし、小さく分割しておけばソースコードも見やすくなり修正が楽になります。また、手作業はミスの原因になるため、自動化できるところはなるべく自動化するように工夫します。
また、デバッグ作業については労力がかかりますが、効率よく行うためには次のようにします。
- 小さなプログラム単位でデバッグする
- 予めデバッグ用のシステムを作っておく
まずは小さな単位からデバッグしていき、それをクリアした「バグのない」プログラムを組み合わせて大きなプログラムにしていくほうがバグが少なくなります。それから、デバッグを効率よく行うための仕組みづくりも大切です。例えば、デバッグモードがONのときだけ主人公が無敵になるとかそういうやつです。
以上のことはごく当たり前のことかもしれませんが、これをやっていない人がいるのでクソゲーは生まれ続けるのです。
2.少し簡単だと思うくらいの難易度にする
前述の通り、制作者はそのゲームのことをすべて知っているので難易度がヌルいと思いがちです。そこで、ちょっと簡単かなくらいのラインで難易度を押さえておくことをお勧めします(難易度選択ができるなら、そのラインをノーマルにする)。個人的には難しすぎてクソゲーになるくらいならヌルゲーになったほうがマシだと思います。
3.システムやUIを熟考する
ゲームにとってのシステムは面白さに直結する部分ですし、またUIは遊びやすさに直結するところです。制作者の中にはこの部分をおろそかにしてグラフィックとかBGMにこだわりたがる人もいますが、「ゲーム」を作るのであればそれでは本末転倒だと思います。
ゲームシステムはゲームのコアになるので、「面白いか」「分かりやすいか」「そもそも作れるのか」といった色々なことが要求される難しい部分です。なので時間の許す限りよく考えてから作り始めるのがいいのではないかと思います。
UIに関しては、いかにプレイヤーのことを考えて作れるかがポイントでしょう。とにかく分かりやすく使いやすいものが求められますので、画面構成や要素の見せ方・操作方法などをよく考えて作る必要があります(もちろん、実現できる範囲での話)。
4.わかりやすいストーリーにする
私はストーリーを考えるのが苦手なので、これについては何とも言えないのですが、これもシステムなどと同じで難解なものよりはわかりやすい方が楽しいと思います。例えば起承転結のメリハリをつけるとか、話の筋を明確にするとかですかね。私のように話を考えるのが苦手なら「起」だけはしっかり作ったり、無駄に話を広げなかったりするような工夫も必要かと思います。