私は「RPGにはレベルは無くてもいいと思う派」の一人です。だからといって別にレベルがあるからつまらなくなる、などと言うつもりはまったくないのですが、「レベルがない方がシンプルになっていい」と思っています。特にフリーゲームなど個人制作のゲームだと「何となく」レベル制を採用しているゲームが非常に多いような気がするので、レベルの概念の有無を再考してもらってもいいのかなとも思います。今回はこの件についてもう少し詳しく書きます。
なぜRPGではレベル制を採用している作品が多いのか?
世の中にレベルの概念のあるRPGが多い理由は、レベル制を採用することにより
- 倒せなかった相手を倒せるようになる、といった成長を演出できる。
- レベルアップによるステータスの割り振りができるゲームでは、好みのキャラクターに成長させることができる。
といったメリットがあるからだと思います。
レベル制のRPGのデメリット
ただし、一方でレベルの概念があることによって制作サイドには「ゲームバランスの調整が面倒になる」という大きなデメリットも生じてしまいます。なぜなら
- 主人公のレベルによっては無理ゲーやヌルゲーになってしまうが、それに気づきづらくなる(=デバッグの手間がかかる)
- レベルアップにより強かった敵が弱くなってしまうため、ゲームバランスを調整するためにたくさんの敵を用意する必要がある
- 好みのキャラクターに成長させられるのはいいが、プレイヤーが取り得る成長パターンが多くなるため、それに対応するのが困難になる
といった理由があるからです。また、プレイヤーからしたらレベル上げの手間がかかるというデメリットもあります。
個人制作ではゲームバランスの調整作業は時間も労力も掛かりがちなので、果たしてこのデメリットに見合う効果が得られるのかというのは正直微妙なところだと思います。
レベル制RPGの問題点は「主人公の強さが変わってしまう」こと
レベル制で上記のようなデメリットが生じる原因は主人公の強さが変わってしまうことにあります。なぜなら、RPGのゲームバランスは主人公の強さを基準にして考えるものだからです(主人公がこの強さのとき、敵はこのくらいの強さが良い、と考える)。なので基準がコロコロ変わってしまうと、それに対応してゲームバランスを調整するのが困難になってしまうのです。
レベルの概念がないことのメリット
そこでレベルの概念を取っ払ってしまうことにより、次のようなメリットを得ることができます。
- 主人公のステータスがある程度固定されるため、ゲームバランスの調整が容易になる
- 敵をたくさん用意する手間が省ける
- レベル上げの必要がないのでお手軽なゲームになる
レベルがないことによってゲームがシンプルになるので、制作者にもプレイヤーにも優しいゲームになると思います。