私はもう何年も個人でゲームを作り続けていますが、ゲームを個人制作するにあたっていつも思うことがあります。それは
- ゲームを一人で作るのは大変!
- なんといっても求められるスキル・能力が多すぎる!!(=色々な作業を自分でやらないといけない)
ということです。ゲームはいわば総合芸術のようなものなので、それを一人で作ろうとすると色々なジャンルのことに挑戦しないといけないんですよ。したがって、ゲームを作り始めたばかりの方は「身につけないといけないスキル多すぎじゃん!!」って感じで圧倒されるのではないかと思います。
ただ、そうは言ってもゲームを作るために必要なスキルは
- ゲームを作るうえで絶対必要なスキル
- あるとかなり有利になるスキル
- あれば便利なスキル
という風に分けられると思いますので、優先的に身につけるべきスキル・能力が分かった方がゲーム制作が楽になるのではないかと思います。
そこで今回は、個人ゲーム制作者に求められる能力について今挙げた3段階に分けて紹介しますね。
※注意:
これから紹介するスキルや能力の重要度の分類はあくまでも私個人の主観によるものです。各々の価値観や作るゲームによっても変わってきますので、参考程度にお読みください。
ゲーム制作で絶対必要なスキル・能力
でははじめに、個人的に思う「ゲーム制作で絶対欠かせない必須スキル・能力」(=これがないとゲームが完成しない能力)を3つ挙げておきます。
- 想像力
- 忍耐力
- 継続力
なんか「○○力」っていう抽象的な能力ばかりで恐縮ですが、どれも地味ながら超重要なものばかりです。今から詳しく説明しますね。
想像力
まず一つ目は想像力です。
- ゲームは非現実的なテーマを表現することが多い
- ゲームはプレイヤーをおもてなしするコンテンツである
といったことを考えると、独自のゲームシステムや世界観を構築したり、プレイヤーの立場を想像してゲームを作ったりするために豊かな想像力が求められます。
ただし、注意すべきなのはゲーム制作では想像力があるだけではダメということです。想像したものを実際のゲームとして実現できなければ意味がないので注意しましょう。
継続力
次に二つ目は、物事を地道に続けられる継続力です。
ゲーム制作はやるべきことが非常に多いので、(それなりのボリュームのある作品を作る場合は特に)一朝一夕では完成しません。したがって日々地道に作業を続けられる能力が非常に重要になってきます。
忍耐力
三つ目は、多少のことがあってもめげない忍耐力です。
ゲームを作っていると
- バグが出る
- 苦手な作業をやらないといけない
というようなことがあって苦しみますし、無事にゲームをリリースした後でも
- 何の反応ももらえない
- 嫌味や陰口を言われる
などショックを受けるようなこともよくあります。なのでゲーム制作を続けるためには、こういった場面ですぐには折れない粘り強さが必要です。
ゲーム制作で非常に有利になるスキル・能力
では次に、「あるとゲーム制作で非常に有利になるスキル・能力」を挙げると下記の7つがあります。
- プログラミングのスキル
- 素材制作スキル
- デザインスキル
- 文章力
- 情報収集スキル
- 分析力
- チャレンジ精神
プログラミングのスキル
まず一つ目はプログラミングスキルです。
最近はプログラミングをしなくてもゲームを作れる開発環境がいろいろ出ていて、実際プログラミングを全く知らなくてもゲームを作れてしまいます。しかし、ゲームがソフトウェアである以上はプログラミングの知識があった方が断然有利です。
もちろんゲーム制作ソフトや便利アセット等に頼りきりでも良いのですが、プログラミングができないと「ここをこうしたい!」っていうときに融通が利かないんですよね。なので、ゲームを作るなら少しでもプログラミングのスキルを身につけておいた方が良いのではないかと思います。
素材制作スキル
次に二つ目は素材制作スキルです。
ゲームではゲームそのものの面白さが最も重要ですが、ゲームを盛り上げるグラフィックやサウンドなども欠かせない存在です。
そういったグラフィック・サウンド等の素材は今やネット上にたくさん出回っていますが、例えば独自の世界観を表現したい場合などはそれらを自作できた方が有利に決まっています。
まあもっとも、ゲーム制作者はクリエイティブな人が多いので「絵も描ける」とか「作曲もできる」という人はかなり多いですね。そういう人を見ていると天は二物を与えず、という諺が全くもって正しくないことが分かります。
デザインスキル
三つ目はデザインスキルです。
デザインというと何かの見た目を決める、というイメージが強いですが、ゲームにおいてはそれだけでなくデザイン力が試される部分が色々あります。例えば
- キャラクターの見た目・個性・背景などを考える(キャラクターデザイン)
- 面白いステージになるようにオブジェクトを適切に配置する(レベルデザイン)
- 見やすく使いやすいUIを作る(UIデザイン)
といった作業ではデザインスキルは絶対に欠かせません。
ちなみに、ゲーム制作は例えるなら料理のようなものなので、同じ素材・題材を使ってもデザイン次第で面白くもなればクソゲーにもなります。それを左右するのが制作者のデザインスキルというわけですね。
文章力
次に四つ目は文章力です。
特にシナリオが重要なノベルゲームやRPGの場合、読みやすく分かりやすい文章を書けたほうがプレイヤーに好感を持ってもらいやすくなります。
また、シナリオがゲームの面白さにあまり関係ない場合であっても、例えばゲームの魅力をきちんと伝えられる説明文を書くことができれば遊んでもらいやすくなるでしょう。
情報収集スキル
五つ目は情報収集スキルです。
これは一見ゲーム制作に関係なさそうですが、例えば
- 今どんなジャンルのゲームが流行っているのか?
- こういう動作を実現するにはどんなスクリプトを書けばいいのか?
といった情報を収集できたほうが遊んでもらいやすいゲームを作れたり、楽にゲームを作れたりします。検索で調べるのはもちろん、Twitterや書籍などでも情報収集できるようにアンテナを張っておくと何かと役に立ちます。
分析力
それから六つ目は分析力です。
- ゲームの面白さとは何か?
- このゲームはなぜ面白いのか?
といったことを深く分析できれば、そこで得られた分析結果を自分のゲームに生かすことができます。フィーリングで何となくゲームを作るのも良いですが、理詰めでしっかりと分析できる能力があればゲーム制作で役立つことは間違いないでしょう。
チャレンジ精神
最後に七つ目はチャレンジ精神です。
ゲームはソフトウェアなので新しい技術がどんどん出てきますし、それに伴って新しいタイプのゲームもどんどん出てきます。なので慣れ親しんだ方法にこだわるだけでなく、新しいことにも積極的にチャレンジできる方がゲーム制作の幅が広がります。
ゲーム制作でそこそこ役に立つスキル・能力
最後に、ゲーム制作で必須ではないものの「あると便利」なスキル・能力を2つ紹介します。
- 英語力(語学力)
- 営業スキル
英語力(語学力)
一つ目は英語力(語学力)です。
ゲームをローカライズ(=翻訳)することができれば、海外の人にも自分のゲームで遊んでもらえるのでより多くの人に楽しんでもらえます。
また、最先端のゲーム制作情報は英語で書かれていることが多いので、そういった情報を読むことができれば他の人よりも一歩進んだゲームを作ることができるようになるでしょう。
営業スキル
二つ目は営業スキルです。
ゲームに限らずモノづくり一般に言えることですが、モノは作っただけでは他人に見てもらえません。「こういう良いものがあるんですよ」と情報発信して多くの人に認知されないとダメです。そこで営業スキルがあると何かと役に立ちます。
まあ、もちろんフリーゲームとして発表するだけなら営業力はそこまで重要ではありませんが、有料作品として売り出すなら非常に重要なスキルになるでしょう。
おわりに:ゲーム制作を通して色々なスキル・能力を磨こう
以上、ゲーム制作で求められるスキル・能力をたくさん紹介してきました。改めて整理してみるとこんなにあるんだな、と私自身ちょっとびっくりしてしまいますね。
これだけ色々なスキルを求められるということは、逆に言えばそういったスキルを満遍なく磨くきっかけになるということなので、ゲーム制作は色々なスキルを磨きたい人にはピッタリかもしれません。
まあ人によっては「こんなに必要なスキルがあるのか」と思うかもしれませんが、とりあえず必須能力(想像力・忍耐力・継続力)がある程度あればゲームは完成するのでご安心ください。何はともあれ、まずはゲームを作りましょう。必要な能力は後からついてくるはずです。
「スキルがないからゲームを作れない」などと嘆くのではなく、ぜひ「ゲーム制作を通してスキルを磨くんだ」くらいの気持ちで取り組んで頂ければと思います。