私はゲーム制作ツールはいくつも使い分けるのが好きで、このところはウディタ→Unity→ウディタという感じで2つのツールを行ったり来たりしています(近々またUnityに戻るかもしれない)。今回はそんな私の使用経験をもとにウディタとUnityの2つのツールを比較してみます。
ウディタとUnityの比較表
私の偏見に基づいてウディタとUnityを比較してみますと、次の表のようになります(※Unityは標準機能の場合で比較)。
ウディタ | Unity | ||
2D/3Dの 向き不向き |
2Dゲーム | ○ | ○ |
3Dゲーム(VR含む) | × | ◎ | |
ジャンルの 向き不向き |
RPG | ◎ | △ |
STG | △ | ○ | |
アクション | △ | ◎ | |
ノベルゲーム | ○ | ○ | |
シミュレーション | △ | △ | |
機能 | クロスプラットフォーム | × | ◎ |
UIの作りやすさ | △ | ◎ | |
物理演算 | △ | ◎ | |
アニメーション | △ | ◎ | |
タイルマップ | ◎ | ○ | |
サウンド管理 | ○ | △ | |
セーブ機能 | ○ | △ | |
プログラミングの知識 | 不要 | 必要 |
凡例
- ◎:とても作りやすい、機能が秀逸
- ○:向いている、よい機能がある
- △:作れるが面倒
- ×:向いてない、または不可能
2つのツールのメリット・デメリット
ウディタ
メリット
- 基本システムを使えば簡単にRPGを作れる
- ワンクリックでコマンドを挿入できる
- プログラミングの知識不要(※プログラミング的な思考は必要)
デメリット
- Windows用ゲームしか作れない
- マップイベントに制約が多い
- 使える変数の数が限られている
- プロジェクトの管理が面倒
- ゲームに使えるファイルの種類が限られている
Unity
メリット
- クロスプラットフォーム対応で、スマホ・ゲーム機・ブラウザで動くゲームも作れる
- プログラミング言語(C#)を使うので自由度が高い
- 強力な物理演算・アニメーション・UI作成機能
- ソースコードをシェアしやすい
- 頻繁にアップデートがある
- PSDファイルやExcelファイルなどもゲームに組み込める
デメリット
- 機能が多すぎて使いこなすのが難しい
- 最近は日本語化が進んできたが、まだまだ英語の情報が多い
- プログラミングの知識がほぼ必須
- デフォルトのセーブ機能がカス
- 機能の追加・変更が多いので、しばらく使っていないとわけがわからなくなる
どちらのツールを使うべきか?
どちらも素晴らしいツールですが、どちらかといえばUnityを使えば大抵のゲームが作れるのでまずハズレがありません。しかしそれぞれ向き不向きがありますので、作るゲームによって使い分けるのがベストなのではないかと思います(少なくとも私はそうしています)。それぞれのツールの特性を考慮するとベストな使い分けは次のようになると思います。
ウディタで作ったほうがいいゲーム
- RPG
- 見下ろし型の2Dゲーム
やはりRPGエディターというだけあってRPG作りにはとても向いているのがウディタのいいところです。しかし物理演算機能がない点や、UIを作るのが大変というデメリットがあるため、アクションやSTGを作るのは大変です。楽をしたいなら見下ろし型のゲームを作るときだけに使うのが良いと思います。
Unityで作ったほうがいいゲーム
- 3Dゲーム
- スマホゲーム、ブラウザゲーム
- アクションゲーム
Unityは元々3Dゲーム用の開発環境で強力な機能がそろっているので、3Dゲームを作るならまずUnityでしょう。そして最近は2Dゲーム用の機能も充実しており何でも作れてしまいます。ただし、RPGは一から自作する必要があり面倒です。Unityで作るとしたら、物理演算機能をフル活用できるアクションゲームが一番良いでしょう。