今回はタイトルの通り「ゲーム制作で失敗しやすい人・成功しやすい人の特徴」についての記事です。
私は自分自身ゲーム制作を続ける中で色々な失敗・成功体験をしましたし、また他の制作者の方のTwitterやブログを見て回る中で色々な経験談を見てきました。そういった中で、ゲーム制作で失敗する人や成功する人の特徴が何となくわかってきたので、ここでは私がわかる範囲でそれらをまとめてみようと思います。
- なお、ここでいう「失敗・成功」の尺度とは「楽しいゲームを完成させられるかどうか」とします。
- あくまでも個人的な主観・経験に基づく意見です。話半分に読んでください。
こんな人はゲーム制作で失敗しやすいので注意
では、はじめに「ゲーム制作で失敗しやすい人」のタイプを挙げると次の通りです。
- 「すごいゲーム」を作ろうとしている人
- ゲーム内容よりもグラフィックやBGM等にこだわる人
- チヤホヤされたくてゲームを作っている人
- コツコツと作業を続けられない人
- 細かい部分ばかり気になる人
- 遊び手のことをあまり考えない人
以下でそれぞれ詳しく説明しますね。
「すごいゲーム」を作ろうとしている人
まずゲーム制作で失敗しやすい人として真っ先に挙げられるのがこれ。例えば、脳内で妄想した壮大なゲームを特に根拠もなく実現できると思っている…というような人です。
言い換えればアイデアばかりが肥大化して手に負えない状態になっているのに、それに気づいていない人ですね。こういうタイプの人は面白いゲームを作れるかどうか以前に、そもそもゲームが完成しない場合が多いと思います。
なぜそんなことを言えるのか?理由はこのブログでもたびたび紹介しているとおり、ゲーム制作は「アイデア>実現力」となった時点で破綻するからです。肥大化したアイデアを実現しようとしても、実力が伴わないのでいつまで経ってもゲームが完成せず最終的にエターなります。
ゲーム内容よりもグラフィックやBGM等にこだわる人
次に二つ目のタイプは、ゲーム内容を疎かにしてグラフィックやBGM等にこだわる人です。こういうタイプは他の創作分野でそこそこ活動経験のある人に多いと思います。
このタイプの人がなぜ失敗しやすいのかというと、次の2つの理由があります。
- 作業量が増えるのでゲームが完成しづらくなるから。
- 完成しても見掛け倒しのゲームになりがちだから。
ゲーム制作でこだわりがあるのは良いことですし、グラフィックやBGMもゲームを盛り上げる重要な要素ではありますが、ゲームを作っているはずなのに肝心のゲーム部分をすっぽかしてしまっては本末転倒です。そうなるくらいだったら普通にイラストを描いたり、曲を作ったりして発表したほうがよほど効率が良いのではないかと思います。
チヤホヤされたくてゲームを作っている人
三つ目のタイプはチヤホヤされたくてゲームを作っている人です。創作界隈ではこのタイプの人が結構いるので注意したほうがいいかもしれません。
まあ、別にチヤホヤされたくてゲームを作るのは全然構わないのですが、個人的に褒めてもらいたいならゲームを作るのではなく別の活動をした方がマシなのではないかと思っています。というのも、
- ゲーム制作ではチヤホヤされるどころかボロクソに言われることの方が多いから
- ゲーム制作ではモチベーションを維持するのが重要だが、他人の評価でやる気が大きく左右されるような人にはそれが困難だから
です。
かくいう私も、昔は「すごいゲームを作ってチヤホヤされたいな~」なんて甘い考えを持っていた時期がありました。しかし実際にゲームを作ってエゴサしてみるとどうでしょう?褒められるどころか批判的なコメントや陰口みたいな書き込みが続々出てきて「なんじゃこりゃー!」ですよ。
こういうことを踏まえると、他の創作活動と比べてゲーム制作は反応をもらいやすい代わりに批判される可能性も高いので、正直チヤホヤされたい!という承認欲求を満たすには割に合わないのではないかと思います。
コツコツと作業を続けられない人
次に四つ目のタイプとして、コツコツと作業を続けるのが苦手な人も失敗しやすいです。
なぜならゲーム制作ではやることが非常に多くなりがちなので、ゲームが完成するまでに数百時間かかるのはザラだからです。そんな中でコツコツ作業できない人がゲームを完成させられるでしょうか?なかなか難しいでしょうね。
細かい部分ばかり気になる人
さて、五つ目のタイプは細かい部分ばかり気になる完璧主義者の人です。
先ほども書いた通り、ゲーム制作ではやることが多くなりがちです。なので、そのような状況で細部にこだわってばかりだと作業が進まずいつまで経ってもゲームが完成しません。
完璧主義者の人はモヤモヤするかもしれませんが、ゲーム制作ではまずは粗削りでも一通り遊べるようにするのが重要です。
遊び手のことをあまり考えない人
最後に六つ目のタイプは遊び手のことをあまり考えずにゲームを作る人です。
ゲームを遊んでいるときは気付かないかもしれませんが、一般的に多くの人が楽しい!と感じるゲームでは「プレイヤーへの配慮」が行き届いている場合が多いです。これは制作者がプレイヤーの立場に立ってゲームを作れるということに他なりません。
しかし私も経験がある…というか今でもそうですが、ゲームを作っているとどうしても制作者目線でしかゲームを見ることができなくなります。それはなぜかというと、制作者はゲームのすべてを知っているので、何も知らないプレイヤーの立場を想像しづらくなってしまうからです。
この「プレイヤーの立場を想像する」ということは非常に難しくて、よほど意識していてもまだ「この部分が遊びづらい!」と言われるくらいです。なので、もしそういう事を全く考えていなければ完成するゲームは独りよがりの遊びづらいゲームになってしまうでしょう。
ゲーム制作では想像力や思いやりも重要だということが分かりますね。
逆に、こんな人はゲーム制作で成功しやすい!
では、今度は逆に「ゲーム制作で成功しやすい人」のタイプを見ていきましょう。基本的には先ほどの失敗しやすい人の特徴の裏返しです。
- 自分の技量をよくわきまえている人
- ゲームの面白さについて深く考えている人
- 良い意味で自己満足できる人
- 地道に作業を続けられる人
- 楽するために努力できる人
- 遊ぶ人の立場に立って考えられる人
自分の技量をよくわきまえている人
まずゲーム制作で成功する人の特徴として、自分の技量をきちんと把握していることが挙げられます。なぜこのタイプの人がゲーム制作で成功しやすいのか?その理由は、自分の技量が分かっていれば
- やるべきことの内容を具体的にイメージできる
- やるべきことの量を適切に調整できる
ので、甘い見積もりで何となく作るよりも遥かにゲームを完成させやすくなるからです。
私の知る限りではありますが、毎回質の高いゲームを仕上げてくる人は自分のできること・できないことをしっかりと把握しているように思います。その辺をわきまえているからこそ自分の持ち味を生かせるし、弱点も補えるのではないでしょうか。
ゲームの面白さについて深く考えている人
次に二つ目として、ゲームの面白さについて深く考えている人のゲームはやはり面白いことが多いです。優れたゲーム制作者の方は、普通の人が「何となく面白い」と思っていることを理詰めで分析できる場合が多いんですよ。
例えばこのタイプの人は自分自身ゲームで遊ぶことも多いのですが、ただ漫然とプレイするのではなく
- このゲームは具体的にどういうところが面白いか
- なぜその部分が面白いのか
- そこには制作者のこういう意図があるんじゃないか
といったことを遊びながらきちんと分析しているようです。そして分析結果を自分のゲームにも生かしたり自分のゲーム自体も分析したりしていくので、結果として面白いゲームができるというわけですね。
良い意味で自己満足できる人
成功しやすい人の三つ目のタイプは、良い意味で自己満足できる人です。
自己満足というと普通は悪い意味で使われますが、ここで言う「良い自己満足」とは「自分のやったことにきちんと満足できる」ということです。つまり自分自身をきちんと褒めてあげられる人といえるでしょう。
このタイプの人の強さは、他人の評価によってモチベーションが左右されにくいことにあります。例えばチヤホヤされたいだけの人は他人から評価されないとやる気を失いますが、良い自己満足ができる人は(他人から評価されなくても)自己評価があるので大してダメージを受けません。
もちろん自己満足だけの人はそれはそれで問題ですけど、優秀なゲーム制作者の方は「自己評価できる力+向上心」を持っている場合が多いので相乗効果で鬼に金棒です。このへんはぜひ見習いたいですね。
地道に作業を続けられる人
次に四つ目のタイプは、当たり前ですがコツコツと地道に作業を続けられる人です。
既に述べた通り、ゲーム制作は作業量が多くなりがちなので一朝一夕ではゲームは完成しません。そのような中では一気に大量の作業を済ませようとする人よりも、コツコツと持続的に頑張れる人のほうが
- やる気の波が少ないためモチベーション管理がしやすい
- 作業を小分けにして取り組むのでミスが少なく、ゲームの品質を高めやすい
という点で有利だといえます。
楽するために努力できる人
五つ目のタイプは楽するために努力できる人です。言いかたを変えると「良い意味で面倒くさがりな人」と言えるかもしれません。
なぜこのような人がゲーム制作で成功しやすいのかというと、このタイプの人は面倒なことをしなくて済むように全力で知恵を絞って工夫することができるからです。
くどいようですがゲーム制作はやるべきことが多いので自動化・効率化できるほど有利です。そしてこのタイプの人は
- 面倒な作業は絶対にしたくない
- でもゲームを完成させたい
と考えるので、必然的に知恵を絞って作業を効率化することになり、結果として素早くゲームを完成させられるのです。
遊ぶ人の立場に立って考えられる人
最後に、六つ目のタイプは遊ぶ人の立場に立って考えられる人です。このタイプの人はゲームを作っている最中は常に
- ここはプレイヤーだったらどう思うかな
- ここは遊びづらくないだろうか
- こういう風にすればプレイヤーに楽しんでもらえるんじゃないかな
といったことを考えています。つまりプレイヤーへの配慮がきちんとできているわけですね。
ついでに言うとこのタイプの人は配慮だけでなく「おもてなし」がとても上手い人が多いです。例えば、このタイプの人のゲームには
- プレイヤーが課題をクリアしたり、上達したときに褒める
- プレイヤーがミスをしたときはその原因を伝え、アドバイスをする
といったことがゲームに盛り込まれていて、たとえ難しくてもついつい何度もチャレンジしたくなることが多いんですよ。さすがにこの辺は経験によって成せる技だと思いますが、ぜひ見習いたいものです。
おわりに
以上長くなってしまいましたが、ゲーム制作で失敗しやすい人・成功しやすい人の特徴をそれぞれ挙げて説明してみました。何かしら参考になれば幸いです。
それにしても、こうやって整理してみると私自身失敗しやすい人の特徴に当てはまっている部分があるので、ゲーム制作が上手い人を見習っていきたいなぁと思います。なにせゲームを完成させること自体はできるようになりましたが、まだまだ「面白いゲーム」を作れていないので…。もっと精進したいと思います。
今回は以上です。