今回はゲーム制作を長く続けるためのヒントに関する話です。
おかげさまで「くろくまそふと」は10月1日で3周年を迎えるのですが、まあゲーム制作を3年続けていると実に色々な出来事があるわけです。その中にはもちろん良い出来事もあって「ゲーム制作頑張ろう」と思えることもある一方で、時には非常に苦労したり不快に感じたりすることもあって「もうゲーム作るの嫌になってきたな…」と思うときもありました。
しかし幸い、そのようなことがあっても私はゲームを作り続けられていますし、よほどのことがない限りは今後もゲームを作り続けることでしょう。嫌になることはあってもなぜかゲーム制作をやめる気にはならないのです。別に「ゲーム制作でこれを成し遂げてやる!」といった信念とかこだわりがあるわけでもないのに、なぜゲーム制作をやめずに続けられるんだろうな?と我ながら不思議に思いました。
そこで色々考えてみた結果、私がゲーム制作を続けられるのは「(良い意味で)自己満足できる趣味だから」だという結論になりました。一体どういうことなのか気になりませんか?
この記事では
- ゲーム制作は過酷!こんなところが大変だ
- ゲーム制作を続けるために必要なのは「自己満足」できること
といったことについて私なりの考えを書いていきますね。
ゲーム制作は過酷!こんなところが大変
では、まずはゲーム制作の過酷さについて少しお話ししておこうと思います。既にゲームを作ったことがある方はよく分かると思いますが、すごくザックリ言うとゲーム制作は次の3点があるので大変です。
- 完成させるまでに非常に手間がかかる
- やりたくない作業もやる必要がある
- しかし見返りを得られるとは限らない
ゲームは完成させるまでに非常に手間がかかる
一つ目は「ゲームは完成させるまでに非常に手間がかかる」ところが大変です。
一体どれだけ手間がかかるのかというと、例えば個人でRPGを作る場合なら全力で作っても
- 短編:100~200時間
- 中編:300~400時間
- 長編:800~1000時間
くらいは余裕でかかります(※もちろんどこまで自作するかで変わってきますが)。
そしてこれだけ手間暇かかるとモチベーションの維持が大変です。長丁場になるとだんだんダレて作業効率が落ちますし、なかなか作業が進まないと終わりが見えず「まだこんなに作業が残っているのか…」とウンザリしてしまいます。あと途中で別のゲームのアイデアが降って来るとそちらに目移りして、今作っているゲームを作る気力が失せることもよくあります。
このようなことからゲームが未完成になってしまうことは非常によくありがちで、なんと個人制作ゲームの9割は完成しないとか…。なのでゲームが完成せず夢半ばでやめていった人も多いのではないかと思います。これだけでも十分過酷です。
やりたくない作業もやる必要がある
次に二つ目は「やりたくない作業もやる必要がある」ところも大変です。
そもそもゲームは色々なジャンルの要素が詰まった総合芸術のようなものなので、それを一人や少人数で作ろうとすると確実に「やりたくない作業」にぶち当たります。まあそれがグラフィックやサウンドなど「素材」で解決できるなら問題ないのですが、例えば
- ゲームシステムのデザイン
- プログラミング
- レベルデザイン
- シナリオ
- ゲームバランスの調整
- デバッグ
などは他人には任せにくく、しかも重要な作業なので嫌でも自分でやる必要があります。
しかし当然ながら「嫌な作業」をやらなければならない、というのは非常に辛くてモチベーションの低下を引き起こします。そうなると作業が進まない→やる気が出ない→ますます作業が進まない…というような負のスパイラルに陥ってしまい、ゲームが完成しなくなる可能性が高くなってしまうのです。このことが原因で挫折する人は相当多いのではないでしょうか。う~む過酷ですね。
必ずしも見返りを得られるとは限らない
最後に三つ目は「ゲームを完成させたからといって、必ずしも見返りを得られるとは限らない」ところもまた大変です。
前2つのような苦難を乗り越え、大変な思いをしてやっとゲームを完成させたとしても
- そもそもゲームを手にとってもらえない
- 遊んでもらえたとしてもコメントの一つももらえない
- コメントをもらえたとしても文句や悪口のようなコメントだった
などということは日常茶飯事です。
つまり作者としては苦労した分の見返りが欲しいのに、それがないどころかむしろ不平不満をぶつけられたりするので相当なダメージを受ける→「もう嫌だ!」となってやめてしまう…というパターンは非常に多いと思われます。
せっかく苦労したのに良い反応がなければ嫌になるのは当然だと思うので、こういうことを考えてもやはりゲーム制作は過酷だといえます。
ゲームを作り続けるために必要なのは「自己満足」できる能力
ではこのように過酷なゲーム制作を長く続けるためには一体どんな能力が必要なのでしょうか。答えは人それぞれかもしれませんが、私の場合は冒頭で述べたように
ことが必要だと思っています。
自己満足は悪じゃない
「自己満足」と聞くと悪いイメージがあると思いますが、私はそれは必ずしも悪いものではないと思います。というのは、自分でやったことにきちんと満足できることは物事を続けるうえで重要だからです。
例えば極端な話ですが、
- 自己満足でゲーム制作を続けられるAさん
- 人から褒めてもらえないと満足できずやる気を失うBさん
がいたとするとAさんのほうが圧倒的にゲーム制作に向いています。なぜならBさんはやる気の有無が他人からの評価に依存しているので、もし他の人が褒めてくれなくなったらゲーム制作を続けられなくなってしまうからです。
このような点を考えると、客観的な評価に左右されずにゲーム制作に打ち込めることがゲームを作り続けるために必要な能力だといえます(※)。
※ただし評価を気にしなさ過ぎて「独りよがり」になるのはいけないと思いますが…。
結局、ゲームを作るだけで楽しいからゲームを作り続けられる
さて、それで私の場合はゲームを作るだけも楽しいからゲームを作り続けられるのかなと思います。
個人的にゲーム制作者には
- ゲームを作ること自体を楽しみたい
- 作ったゲームで他の人を楽しませたり儲けたりしたい
という2つの願望があると思うのですが、1つ目のようにゲーム制作自体を楽しめないとゲームが完成しないので2つ目の願望を満たせないことになります。つまり2つ目の願望だけが肥大化しすぎると上手くいかないのかもしれません。
いずれにしても「苦労したからそれに見合った見返りを得られるだろう」というのはゲーム制作ではなかなか通用しないので、「ゲームを作れればそれだけでも満足」くらいに思ったほうが楽しくゲーム制作を続けられるのではないでしょうか。これこそが長続きする秘訣だと私は思います。