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ウディタからUnityへの乗り換えガイド

Twitter等を見ていると、最近は「ウディタ使いだけどUnityに興味がある」という人が増えているようです。そこで今回はウディタとUnityを両方使っている私が「いずれウディタからUnityに乗り換えたい」と思っている方のためのガイドを書いてみます。

※ちなみに…ウディタとUnityを比較したときのそれぞれのメリット・デメリットについては、以前の記事「ウディタとUnityを比較してみる」をご参照ください。また、Unityで具体的にどういうゲームをどうやって作っていくのか知りたい方は私の入門講座「Unityでゲームを作ろう!」の方をご覧ください。

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Unityの特徴

まず、はじめにUnityの特徴を簡単におさらいしておきましょう。

  • 3Dゲームを簡単に作れる(元々は3D用ゲームエンジンなので当然)
  • 物理演算機能が強力
  • クロスプラットフォーム対応(=Windows以外のOSやスマホ・ゲーム機で動くゲームも作れる)
  • 追加機能や素材(=アセットという)が充実している

Unityの魅力はまず何といっても3Dゲームを簡単に作れることです。3Dゲームというとなんか難しそうなイメージがありますが、Unityの物理演算機能と豊富なアセットを駆使すれば、簡単なアクションゲームなら初心者でも一週間あれば作れてしまいます(例:ユニティちゃんパルクール)。

また、もう一つの魅力としては作ったゲームを色々な環境で動かせることが挙げられます。WindowsはもちろんMacやLinuxで動くゲームも作れますし、PCだけでなくスマホやゲーム機で動くようにすることもできます(※設定も難しくありません)。

このようにUnityにはゲーム制作が楽しくなるような魅力がいくつもあります。後述するように使いこなすのは決して楽ではありませんが、ぜひ試してみる価値のあるゲームエンジンだと思います。

ウディタとの主な違い

次にウディタとの主な違い(設計思想的な部分の違い)は以下の通りです。

  • 基本的にゲームシステムを自作することが前提(※アセットを使う場合は別ですが)
  • 便利な「コンポーネント」の概念がある
  • データベースなんてない

システムは自作するのが当たり前

Unityにはウディタでいうところの「基本システム」のような標準のゲームシステムはありません。なので基本的にシステムを自作するのが前提となっています。

まあ一応、アセットを使えばテンプレート的なゲームシステムを導入することができますが…当たり外れが大きいですし、別途その使い方を覚える必要があるので大変です(しかも説明は英語のものしかないと思ったほうがいいです)。

便利な「コンポーネント」の概念がある

ウディタはイベントにコマンドを入力していってゲームを作っていきますが、Unityではゲームオブジェクトにコンポーネント(≒機能)を追加していく形でゲームを作っていきます。デフォルトで用意されているコンポーネントには様々な種類があるほか、自作もできるのでとても自由度が高いです。プログラミングの知識があればコンポーネントを自作することでほぼ何でもできてしまうので便利です。

データベースなんてない

Unityにはウディタのようなデータベースはありません。したがってデータの管理システムはプロジェクトごとに自作する必要があります。この辺の処理を作るのは結構難しいので、UnityでRPGやノベルゲームを作るならそれなりの技量が必要になると思います。

Unityを使うために覚えるべきこと

Unityを使うために覚えるべきことは次の通りです。

  • Unityの基本操作
  • Unityの各機能に関する知識
  • プログラミング言語「C#」の知識
  • 高校レベルの英語

ではこれら4つの覚え方を簡単に説明しておきますね。

Unityの基本操作

まずUnityの操作方法の覚え方については、良いUnityの入門書が数多く出版されているのでそれを読みながら実際にゲームを作ってみるのが一番手っ取り早いでしょう。ウディタを使える人なら基本操作は簡単に覚えられると思います。ちなみに入門書は「Unityの教科書」(リンク先はUnity2019対応版。最新版を買うようにしてください)が分かりやすくてオススメ。

Unityの各機能に関する知識

入門書ではごく基本的な操作方法など最低限の知識しか身につかないので、細かい機能(←これが膨大にある)については自分で調べながら覚える必要があります。これに関しては実際に自分でゲームを作る中で必要になったものをググって覚えるのが良いでしょう。

C#でのプログラミング

Unityを使いこなすうえで避けて通れないのがC#によるプログラミングです。既にプログラミングの経験がある方は問題ないと思いますが、プログラミングをしたことがない方にとってはここが一番敷居が高いところですね。

それでC#の覚え方ですが、まずは入門書を1冊こなして基本文法やオブジェクト指向の考え方を身につけるのが一番です。おすすめの入門書は「確かな力が身につくC#「超」入門」で、必要最低限の知識について分かりやすく・丁寧に書いてあります(ちなみに「Unityの教科書」と同じ著者の本です)。最初はUnityの入門書と並行してこの1冊を読み進めて、何となくでもいいのでプログラミングに慣れてもらうとUnityでのゲーム制作がスムーズになると思います。

ただ入門書の知識だけだと少々心細いので、もし慣れてきたら「実戦で役立つ C#プログラミングのイディオム/定石&パターン」という本を読むことをお勧めします。この本はやや難しめの内容ですが、入門書の次に覚えたい知識が過不足なく書かれているので非常に役に立つ良書です。やる気のある方はそちらも併せてチェックしてみてください。

高校レベルの英語

Unityは基本操作レベルなら日本語の情報が多いのですが、そうはいってもまだまだ英語の情報が多いのが現状(※特にアセットに関しては99%英語の情報しかない)。英語にアレルギーがあると何かと厳しいです。せめて高校レベルの英語力はあったほうがいいので、高校生以上の方は教科書の内容を復習しておくといいかなと思います。

Unityに乗り換えたほうがいい人・ウディタのままのほうがいい人

最後に、上記を踏まえてUnityに乗り換えたほうがいい人とウディタのままの方がいい人について書いておきます。

Unityに乗り換えたほうがいい人

  • 3Dゲームやスマホゲームを作りたい人
  • アクション性の高いゲームを作りたい人

まず、当たり前ですが3Dゲームなどウディタでは実現が難しいゲームを作りたい方はぜひUnityに乗り換えるべきだと思います。また、Unityは物理演算機能が強力でアクション性が高いゲームを作るのにとても向いているので、そういうゲームをメインで作りたい方も乗り換えを検討したほうがいいでしょう。

ウディタのままの方がいい人

  • RPGを作りたい人
  • プログラミングが嫌な人
  • 英語が嫌いな人

逆にUnityではRPGを作るのがかなり大変だということを考えると、RPGをメインで作るならUnityに乗り換えるメリットはあまりないかもしれません。あとはプログラミングや英語が嫌いな人はUnityを使うと嫌になってくると思うのでウディタのままのほうがいいと思います。