前の記事にも書いた通り、私は7月1日~7日にかけて行われた「1週間ゲームジャム」に参加して1週間でゲームを1本作りました。ここでは今回作った「集金王(シュウキング)」というゲームの制作に関する裏話を書いていきます。
※ゲームジャム全体を通しての感想も書きましたので、良かったらそちらもご覧ください。
「集金王」について
まずは集金王について。マウスを上手く操って壁や障害物に当たらないようにコインを集めていくブラウザゲームです。1ステージ1回20秒以内で遊べるお手軽さが特徴。
遊んでみたいという方は下記のリンクからすぐに遊ぶことができます。
集金王(シュウキング) | フリーゲーム投稿サイト unityroom
制作の流れ
次に集金王の制作の流れを紹介していきます。
初日:アイデア出し
まず初日はゲームのアイデア出しを行いました。
最初は何か変わったアイデアを出せないかな~と思って色々考えていたのですが、「あつめる」というお題に対してあまり変なアイデアを思いつかなかったので、結局「ゲームで”集める”と言えばコインでしょ」とコイン集めゲーにすることに決定。
それでコイン集めというと以前「コインを集めて!ユニティちゃん」という3Dドットイートゲームを作った経験があるので、それを生かせないかなと考えました。
ただこのときは3Dゲームを作ろうと意気込んでいたのですが、いくら準備してあるからといっても(※ゲームジャムのために3Dゲーム用システムを用意していた)、1週間で3Dゲームを作るのはちょっときついかも?ということで考えを改めて2Dに変更することにしました。
そして2Dゲームというと直近で「イライラ王」というイライラ棒ゲームを作ったので、そのシステムを改造すれば楽に作れることに気づき、最終的に「イライラ王ベースのコイン集めゲーム」を作ることになりました。
2日目~3日目:ゲームシステム制作
次に行ったのはゲームのシステム作りです。といってもここは先述の通り既存の自作ゲームを改造するだけだったので特に苦労しませんでした。
4日目~5日目:ステージ制作
システム部分がサクッとできたので、調子のいい状態でステージ制作に入ることができました。個人的にステージ制作はかなり苦手な作業ですが、今回は「1ステージ20秒を目安にクリアできるようにする」という風にしたところサクサクと作れました。
6日目~最終日:最終チェック&アップロード
5日目にゲームが完成したので、6日目にゲームの最終チェックとアップロードを行いました。余裕をもってゲームを提出できて良かったです。
ゲームを完成させるために工夫したこと
さて、今回のゲームを1週間で完成させるために工夫したことがいくつかあります。それは次の4つです。
- なるべくコンパクトにした
- 楽するために知恵を絞った
- 使えるものは全部使った
- 無理しないようにした
なるべくコンパクトにした
まず使える時間が1週間ということで、とにかく手間のかからないコンパクトなゲームにすることを心がけました。ゲームのアイデア出しの段階はどうしても大風呂敷を広げたくなりますが、そこは我慢のしどころだと思います。
今回は先ほども書いた通り、3Dゲームにする予定だったのを2Dゲームに変更するなどして開発の規模を小さくしました。
楽するために知恵を絞った
ゲーム制作では面倒くさい作業が必ず発生するのですが、そういった作業はなるべく自動化できるようにしました。例えばコインの初期配置は全部自動的に行うようにしてあります。
使えるものは全部使った
既に書いた通り既存の自作ゲームを改造するなどして手間を省きました。もしこれを一から作っていたらもっと時間がかかっていたことでしょう。使えるものを全部使うことで遅刻せずに済みました。
無理しないようにした
ゲームジャムは時間との戦いでしたが、だからといって時間がないから夜更かしする、など体に負担のかかることはしないようにしました。
結局今回のような状況下で無理をしても、パフォーマンスに悪影響が出るだけでメリットはありません。無理をしなくても済むようなペース配分を考えておくのは重要だと感じました。
他の方からの評価
1週間のうちになんと103件もの評価が集まり、どの項目も平均で★3.5~4くらいの評価を頂きました!
最初は「初参加だし大して遊んでもらえないかも」と思っていたのですが、予想以上に多くの方に評価していただけたので驚きました。さらに、本作は他の方のゲームよりもボリューム多め&難しめだったにもかかわらず、続々とクリア報告もしていただけてとても嬉しかったです。
より多くの方に遊んでもらうためにしたこと
ちなみに、今回多くの方に遊んでもらえたのは次のような理由によるものだと思われます。
- 他の方のゲームをたくさん遊んで評価したから
- ゲームのサムネイルは静止画ではなくGIFにしたから
- ゲームのロード時間が短かったから
他の方のゲームをたくさん遊んで評価した
まずはこれが一番大きかったと思います。というのは、ゲームジャム作品の一覧では他の方のゲームで遊ぶほど自分のゲームが良い位置に表示される仕組みになっているからです。
私の場合は特にゲームの一斉公開直後に他の方のゲームを遊びまくったので、たくさんの人がサイトに殺到するタイミングで自分のゲームがよく目立つ位置に表示されていました。その結果、早いうちに評価が集まる→おすすめゲームにピックアップされる→さらに評価が集まる、という感じになりました。つまり初動がかなり良かったので今回たくさんの方に遊んで頂けたのかなと思います。
余談ですが…他の方のゲームで遊びまくったといっても適当に評価を付けていたわけではありません。僭越ながら次のような評価基準を設けて一つ一つしっかりと評価させて頂きました。
- 楽しさ:
純粋に「楽しい」と思えたかどうかと熱中した時間で評価。5分以上楽しく遊べれば★4以上 - 絵作り:
上手い下手よりも「見やすさ」と「独自性があるか」を評価。最低限見やすければ★3以上 - サウンド:
BGMとSEが揃っていれば★3以上。特に理由なくサウンドがないものは★1 - 操作性:
遊びやすければ★4以上。説明を何度も見ないと分からないものは減点 - 雰囲気:
独自の雰囲気を出せているかどうか。絵とサウンドが高評価なら自然と★4以上になる - 斬新さ:
自分で思いつくかどうか。「その発想はなかった」というアイデアには★5
なお今回評価させて頂いていて気になったのが「サウンドがないゲームが多かった」ということでした。時間が限られていて後回しになるのは分かりますが、評価軸の一つとしてサウンドがあるので音を鳴らさないのは非常にもったいないと思いました。
ゲームのサムネイルをGIFにした
今回のゲームは一覧に表示されるサムネイルに動きがないと面白さが伝わらないと思ったので、ゲームのサムネイルをGIFにしました。結果としてサムネイルを見ただけでどんなゲームかすぐわかるようになりましたし、静止画のサムネイルが多い中で目立つようになり、多くの方に遊んでもらえるようになったのだと思います。
ロード時間の短い2Dゲームにした
最後に地味な部分ですが、ロード時間が短かったのもたくさんの方に遊んで頂くことができた理由の一つかなと思っています。
評価期間中は「とにかくたくさんのゲームを遊びたい」という方が多いと思うので、そういった中でロード画面でいつまでも待たされるのはかなり苦痛です(※実際、ロードが長すぎて遊ぶのをあきらめた作品もありました)。しかし集金王は軽量な2Dゲームであり、すぐに遊べるのでそれが間接的に効いてきたのではないかと考えられます。
またしても余談ですが…3Dゲームはロード時間が長くなりがちなので、「1週間ゲームジャム」のように大量のゲームが集結するイベント向きではないと感じました。せっかく手間のかかる3Dゲームを作っても、ロードが長いせいで遊ぶ前に戻るボタンを押されてしまうのはもったいないです。
そういうことを考えるとロード時間という点でも作る手間という点でも、ゲームジャムでは2Dゲームを作る方が断然有利だと思いました。
おわりに
今回ゲームジャム初参加ということで制作中も公開してからも色々不安がありましたが、きちんとゲームを1本完成させることができましたし、思った以上にご好評を頂くことができたので本当に良かったです。
さて、それでは気持ちを切り替えてまた新しいゲームを作ろうと思います。参加者の皆様、ゲームジャムお疲れさまでした!