今回は皆さん大好きなゲームジャムに関する話題。世界最大級のゲーム投稿サイト「itch.io」のゲームジャムの一つに参加してみたよ!という話です。
以前の記事でご紹介した通り、itch.ioでは常にたくさんのゲームジャムが開催されており、世界中のゲーム開発者が腕試しをしています。そんな中で私もitchに慣れてきたということもあり、今回思い切ってゲームジャムに参加してみることにしました。
ただまあitch.ioは日本での知名度が異様に低いので、せっかく参加するなら他の方の参考になるようにブログに体験記を書いておこうと思ったんですよ。そこで今回の記事では
- そもそもゲームジャムって何?
- 今回参加したゲームジャムについて
- 今回作ったゲームについて
- 7日間の制作記録
- ゲームジャムに参加した感想
といったことを詳しく書いていきますね。
そもそもゲームジャムとは?
でははじめに、「そもそもゲームジャムって何だよ」と思う方もいらっしゃると思うので簡単に説明しておきます。
ゲームジャムとは一言でいうと「短期間でゲームを作るお祭り」のようなものです。多くのゲームジャムでは開催と同時にお題が発表されるので、参加者はそのお題に沿って締め切りに間に合うようにゲームを作ります。制作期間が終わるとゲームが公開されてお互いに評価し合う場合が多いです。
なお制作期間はゲームジャムによって違いますが、だいたい2日~1週間くらいが多い印象。中には1日とか数時間で作るといった狂った(?)ゲームジャムもあってなかなか面白いです。
今回参加したゲームジャム「7dfps 2021」について
次にここからが本題なのですが、今回私は数あるitch.ioのゲームジャムの中で「7dfps 2021」というジャムに参加することにしました。
詳しいルールなどは公式ページをご覧いただければすぐにわかるのですが、端的に言うと
というジャムですね。これに参加しようと思ったきっかけはいくつかあって
- ちょうどFPSを作りたかったから
- ルールが緩くて参加しやすそうだったから
- 過去の参加作品にRedditで話題になったゲームがあったから
です。特にルールに関しては、ゲームジャムとしては一番緩い部類で
- 一人称視点のゲームなら何でもOK
- 当日発表のお題もない
- 順位もつかない
- アセット等は自由に使用してよい
という感じだったので最初に参加するには良いかなと思いました(※ただしお題がないのには驚きましたが…)。
今回作ったゲームについて
それで今回このゲームジャム中に作ったFPSは「Orca : The Beast From Hell」という作品です。
このゲームの概要を一言でいうと「5分後に出現するボスを倒す」のが目的のFPSです。ほぼ丸腰の状態から5分間でアイテム探索・プレイヤーの強化を行い、その後に出現するボスに挑戦するといった流れとなっています。無料でサクッと遊べるのでぜひ遊んでみてください。
7日間の制作記録
さて、次にOrcaを完成させるまでの7日間の制作記録をご紹介しておこうと思います。まだゲームジャムに参加したことがないよ、という方は「こんな流れでゲーム作るんだな」といった参考にしていただけたら幸いです。
初日:アイデア出し・プロジェクトの準備など
まず初日はアイデア出しです。今回のゲームは
- 短期間で作ることができる
- サクッと手軽に遊べる
といった方向性に持っていきたかったので、時間が区切られているFPSにすることにしました。ゲームの方針が決まったところで新規プロジェクト作成したり、必要なアセットをインポートして設定したりといった準備も行いました。
なお今回のジャムではアセットを自由に使うことが許可されていたので、あらかじめ作ってあった自作のFPS用テンプレートや購入済みのアセットを十分活用してゲーム制作を進めることにしました。
2日目:アイテム・敵キャラクター作成
次に2日目はアイテムや敵キャラクターの作成作業です。この辺の作業は本来は時間をかけてじっくり行いたいところですが、とにかく期間が短いのでとりあえず最低限必要な分だけ用意することにしました。具体的には
- アイテム:武器・プレイヤーの強化アイテムを計12種類
- 敵キャラクター:6種類(亜種含む)
といった感じです。特に武器と敵キャラクターの設定には時間がかかるため、それぞれ明確に差別化できる種類をよく考えて作成しました。
3日目:フィールド作成
3日目はフィールドの作成作業です。今回のゲームは多少探索要素もあるため400m四方のフィールドを用意し、アイテムや敵を丁寧に配置していきました。
4日目:ボス作成・演出追加
4日目はボスやその登場までの演出の作成作業です。
実は今回のゲームを作るにあたってはこの作業が一番難しくて、最初にアイデアを出した段階から「これは本当に作れるのか?」と思っていましたが工夫してうまいこと乗り切りました。また、自作の敵AIが完全にザコ敵用でボスに使うには全然物足りないというトラブルもあったのですが、そこは
- 1分以内にボスを倒さないとゲームオーバーになる
- ボス本体の動きは大したことないが、周囲のギミックでプレイヤーを翻弄するようにする
といった工夫で何とかごまかすことができたと思います。
5日目:何度もテストプレイして調整
5日目はテストプレイと調整作業です。
今回は先述のとおり、あらかじめ作ってあった自作テンプレートを使ったことからスクリプトをほとんど書かなかったので、別にテストプレイはそんなに頑張らなくてもいいか…と思っていました。しかし念のため何度かテストプレイしてみるとバグが何個も見つかったため確認しておいて良かったなぁと感じました。テストプレイは大事ですね。
6日目:最終チェック・ゲームのビルド等
6日目はゲーム全体の最終チェックとビルドを行いました。
前日のチェックのおかげでバグ等はほとんど潰してあったおかげで、この日は特に問題なく作業することができました。ビルドも一発で通ったので安心しました。
最終日:作品ページや紹介動画の作成・ゲーム提出
さて最終日は作品ページや紹介動画を作り、ゲームを提出しました。
この辺の作業についてはいつもitch.ioにゲームを出すときにやっていることと全く同じだったので特に苦労することもなくスムーズに作業することができました。
これにて無事ゲームジャム終了です。
itch.ioのゲームジャムに参加した感想
では最後にitch.ioのゲームジャムに参加した感想を書いておこうと思います。
参加してよかった点
- ごく短期間でも一応FPSを作れることが分かった
- 短期間でFPSを作るための段取りが分かった
- itch.ioのゲームジャムの雰囲気をつかむことができた
- 実際にFPSを作ることで、自作テンプレートのバグや不便な点を洗い出すことができた
思っていたのと違った点
- 参加したゲームジャムは参加者が多い割に提出作品数が少なく、盛り上がりに欠けていた
- 短期間で無理やりFPSを作ったので納得いかない出来になってしまった
総評
総評としては、今回のゲームジャムでは色々と得るものがありましたが、一方でジャム自体が盛り上がりに欠けたり、作ったゲームがなんか納得いかない仕上がりになってしまったりしてコレジャナイ感もあったりして、良し悪しで言うと五分五分だっと思います。
ただ悪い点は今回参加したゲームジャムに起因する部分が大きく、別のジャムだったらまた違った面白さを体験できたかもしれないため、もし機会があれば別のジャムにも参加してみたいと思いました。
おわりに
以上、itch.ioのゲームジャムに参加してみた感想や制作記録について書きました。
今回参加したジャムはすごく緩いルールでグダグダになった感が否めませんが、先ほども書いた通りitchでは様々なゲームジャムが開催されているので、ほかのジャムでは全く違った体験が得られるかもしれません。
いずれにしてもジャムに参加することで得られる経験値は多いと思います。itchは海外サイトということで少し取っつきづらい部分もあるかと思いますが、面白そうなジャムがあったら是非参加していただければと思います。