先日もブログに書いた通り、私はこれまでの2年間で15本の自作ゲームを完成させてきました。したがって「ゲームを完成させる」という点においては人並み以上に自信があります(※残念ながら面白いゲームを作る自信はそんなにありませんが…)。
今回はそんな私がたどり着いた「自作ゲームが完成しやすくなる考え方」について書きます。
結論:自作ゲームが完成しやすくなる考え方とは…
では、まずは結論から言いましょう。自作ゲームが完成しやすくなる考え方とは
「自分の作りたいゲーム」ではなく「自分で作れるゲーム」を作る
ということです。
…こう書くと
- 「作りたいゲームを作らないなんて嫌だ!」
- 「自分で作れるゲームを作るなんて当たり前でしょ」
と思う方も多いのではないでしょうか。しかしほとんどの方は上の考え方を知らなかったり、きちんと意識していなかったりするせいでゲームを完成させるのが難しくなっているのだと私は思います。
そこでゲームを完成させるうえでこの考え方がいかに重要か、ということをもう少し詳しく説明していきますね。
「自分の作りたいゲーム」ではなく「自分で作れるゲーム」を作る!
なぜ「作りたいゲーム」を作るのはダメなのか?
では、なぜ「作りたいゲーム」を作るのはダメなのでしょうか。私に言わせれば、その理由は
ほとんどの人にとって「作りたいゲーム」=「自力で作れないゲーム」だから
です。
なぜそう言えるのか?その理由は
- 多くの人は商業ゲームにあこがれて「〇〇みたいなゲームを作ろう」と意気込む
- しかし、商業ゲームは莫大なお金と人手を投じて作られているので、個人で商業レベルの作品を作るのはほぼ不可能
- つまり「作りたいゲーム」とは「自力で作れないゲーム」であることが多い
と言えるからです。
もちろん商業作品に感銘を受けて「〇〇みたいなゲームを作りたい」と思うこと自体を悪く言うつもりはありません。しかし実力もないのに「自分でもそういうゲームを作れるかも?」という幻想を抱き続けるようではダメなのです。
アイデアを実現させるために必要なこと
このようなことを踏まえると、自作ゲームを完成させるためには「自力で作れるゲームを作る」必要があります。言い換えればゲーム制作の最初のアイデア出しの段階で「アイデアを自力で実現できるレベルに落とし込む」ことが非常に重要だということです。
ではアイデアを実現させるには何が必要なのかを少し考えてみましょう。
現実という名の壁
アイデア出しと言えば、多くの方にとってゲーム制作の一番の楽しみだと思います。これから作るゲームについてあれこれ考えるのは面白いし、すごくワクワクします。至福の時間ですよね。
しかしここで一つの壁が立ちはだかっています。それは現実という名の壁です。頭の中でどんなに素晴らしいゲームのアイデアを考えたとしても、その壁を乗り越えて実現できなければただの空想でしかありません。
頭の中ではゲーム画面がすでにできていて、キャラクターも生き生きと動いている。しかしそれを実現するとなると難しい。現実とは厳しいものです…。
汝自身を知れ
ではこの壁を乗り越えるにはどうしたらよいでしょうか。アイデアを実現する方法は色々あると思いますが、一つ言えるのは自分の能力を把握していないとアイデアは実現できないということです。
例えば、あなたが痩せ気味なのがコンプレックスで「筋トレしよう」と思っていたとしましょう。その時にいきなり200キロのバーベルを使ってトレーニングしようと思いますか?
…おそらくそんな馬鹿なことはしないと思います。これは自分の能力を把握できている例です。
しかし、なぜかゲーム制作になると多くの人がいきなり「すごいゲームを作るぞ!」などと言いだすのです。そしてエターなる。これって不思議じゃないですか?
個人的に、そういう風になってしまう原因は「ゲーム制作は割と抽象的で、自分にできることを把握しづらい」ことにあると思います。だから自分にだってすごいことができる、などという誇大妄想に陥ってしまいがちなのでしょう。
したがって自作ゲームを作るにあたってはまず「自力でどんなゲームを作れるのかを知る」ことが重要なのです。
自分の実力を把握する方法(※初心者向け)
とはいっても、ゲーム制作初心者の方は「自分でどんなゲーム作れるのかなんてどうやったら分かるのさ?」と思うのではないでしょうか。そこでオススメの実力測定方法を1つご紹介しておくと、
参考書のサンプルゲームを最初から作ってみる
ということをぜひやってみてください。もちろん参考書を見ながらでOKです。「きちんと遊べるゲーム」を作れるかどうか試してみましょう。
…何でこんな初歩的なことをオススメするのかというと、参考書のサンプルゲームをきちんと完成させる人は少ないと思うからです。なにせサンプルゲームは見た目や内容がショボいので、「こんなのは俺の作りたいゲームじゃない!つまらん!」といって投げる人が相当数いると予想されます。
しかし侮るなかれ、サンプルゲームにはゲーム制作の基本がつまっています。もしサンプルすらも完成させられないなら基礎ができていないと言わざるを得ないでしょう。
そういうことを考えると、初心者の方の場合はサンプルゲームをきちんと完成させられるかを確認するのが実力を測るのに妥当だと思います。
サンプルゲームを無事完成させられた場合
さて、晴れてサンプルゲームを完成させることができたなら基礎ができているということです。自信をもってゲームを作っていきましょう。最初のうちはサンプルゲームを改造するか、似たようなゲームを作るのがおすすめです。
サンプルゲームすら挫折してしまった場合
逆にサンプルゲームすら完成させられなかった場合は、まだ基礎が固まっていないということです。別に悲観する必要はありません。つまづいたところをしっかり復習しておきましょう。
おわりに:ゲーム制作は理想と現実のせめぎあい
というわけで、今回は自作ゲームを完成させやすくする考え方について書いてきました。ただまあ、そうはいっても「ぼくのかんがえた最高のゲーム」は作りたくなるものですし、自分の実力を正確に知るというのもなかなか難しいわけです。要するにゲーム制作って「理想と現実のせめぎあい」なんですよ。難しいですねぇ…。
しかしそういった中であっても、
「自分の作りたいゲーム」ではなく「自分で作れるゲーム」を作る
という考え方をしっかり意識すれば確実にゲームを作りやすくなります。くどいようですが今回覚えておいてほしいのはそれだけです。
ぜひこの考え方を身に着けてゲームをガンガン完成させていってほしいなぁと思います。